将棋

今宵、あの頃のバーで 先崎学

週刊文春連載の人気エッセーの最新刊(連載は10年500回を超えた)。 あいかわらずの面白さで、将棋の現役プロ棋士の生活と意見が描かれている。 近作「千駄ヶ谷市場」は、とてもわかりやすいと喜んでいたが、執筆の苦労が語られている。 大変な労作だったの…

千駄ヶ谷市場 先崎学

対局日誌がよみがえった!当然のことながら、河口俊彦七段とは異なるテイストの観戦記となっており、将棋のプロ棋士の戦いのすごさ、読みの深さに触れられる内容となっている。現在、この人以外にこのようにプロ棋士のことを生き生きと描ける人はいないだろ…

どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか? 梅田望夫

羽生善治名人の対局のリアルタイム・ウェッブ観戦記とエッセイ対話編で構成される。 久しぶりに読み応えのある将棋のプロ棋士の本だった。 木村一基八段は、攻めを急がせる局面に誘導して無理攻めをさせて、その局面を凌いで受けきっていくという羽生のコメ…

泣き虫しょったんの軌跡 瀬川晶司

二十六歳の年齢制限のため、奨励会を退会し、一度はプロ棋士への道を断念した瀬川氏は、絶望のふちから、アマとして将棋の楽しさに改めて気づく心境にまで再生をとげる。 アマ名人となり、夢にまでみたプロ棋士との対局が実現し、初戦の中座真四段(当時)に…

大山康晴の晩節 河口俊彦

不世出の将棋名人、大山康晴を描いた傑作評伝。 傍らで、同じ棋士として見つめた河口俊彦でなければ書けない作品だ。 名人在位18期、憎らしいくらい負けない大名人だったが、 そのすごさは、むしろ、名人を失冠した後の50代以降にある。 将棋のプロの世界…

頭脳勝負 渡辺明

将棋界のビッグタイトル「竜王」を5期連続保持して、昨年永世竜王となった 渡辺明竜王が、2007年多くの人に将棋の面白さを知ってもらいたいと思って 書いた本だ。 もはや、若手という言い方は失礼にあたるだろう。いま、対局している今期 竜王戦では、森内九…

人間における勝負の研究 米長邦雄

さわやか流、泥沼流といわれた米長九段、永世棋聖の古典的名著。 将棋のプロ棋士に大きな影響を与えたといわれる。 中原十六世名人のライバルとして活躍し、多くのタイトルを獲得、 そして、悲願の名人を中原から奪取し、史上最高齢の名人となった名棋士。 …

純粋なるもの 島朗

現役プロ棋士、島八段が、羽生世代と呼ばれる棋士たちを 描いた作品。 副題に「トップ棋士、その戦いと素顔」とあり、平成8年11月単行本 として刊行され、平成11年1月大幅加筆されて文庫化されている。 羽生、森内、佐藤、森下、郷田、先崎の面々は当時まだ…

血涙十番勝負 山口瞳

中原、米長時代が到来する前、いまから三十年以上前に、 当時の一流棋士と飛車落ちで対局した十番勝負の自戦記だ。 敗戦が重なり、自分のふがいなさに、連載をやめようとする など、その勝負に対する真剣さが好ましい。 そして、本人がこれは棋士銘銘伝のつ…

山手線内回りのゲリラ 先崎学

先崎学八段は米長邦夫永世棋聖の弟子にして、羽生、森内、佐藤康光と同世代だ。 将棋指しでありながら、その小気味よいエッセイに、多くのファンをもつ。 本書は、週刊文春で大好表連載中の「先崎学の浮いたり沈んだり」から 選りすぐりの60篇を収録。 読み…

人生の棋譜この一局 河口俊彦

1990年から1994年までの将棋界の有様を描いた本書を 将棋界ウォッチャーとして、引き込まれるように読んだものだ。 現役棋士でありかつ文才のある人物がプロ棋士の対局について 文章を書いてくれることは、多くの将棋ファンが待ち望んでおり、 その意味でこ…

シリコンバレーから将棋を観る 梅田望夫

あの「ウェブ進化論」の梅田望夫の将棋および将棋界に関する本 将棋は弱いけれども、将棋を観るのは好き、将棋のプロ棋士の言動に興味があり、 そのストイックな生き様に感銘をうける。そんな人は、自分も含めて意外に多いという くだりは読んで、そうか俺だ…

編集者T君の謎 大崎善生

将棋業界のゆかいな人々と副題のついた、大崎善生のエッセイ。 名作「聖の青春」「将棋の子」の著者にして元「将棋世界」編集長が、 将棋界の主に将棋のプロ棋士の魅力的なキャラクターを描いている。 個人的には、大山十五世名人が、非常に細かく社員旅行の…