2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

千年の夢 齋藤なずな

文人たちの愛と死と副題にあるとおり、誰もが知っている文学者たちの愛憎模様が描かれる。 各作家の作品と評伝に基づくフィクションと断ってあるように、自由奔放に各作家の作品を料理して展開している。 与謝野晶子、高村光太郎、夏目漱石、芥川龍之介、林…

ダブル・ジョーカー 柳広司

「ジョーカー・ゲーム」に続き、「魔王」結城中佐率いる陸軍内スパイ組織D機関の活躍を描くスパイ・ミステリー連作集の第2作。 時代は太平洋戦争開戦前までの昭和初期だ。紹介にスタイリッシュという言葉がつかわれていたが、結城中佐のカリスマ性、冷酷さ…

シネマ古今集 瀬戸川猛資

清水義範の後をうけた「サンデー毎日」の映画コラム「シネマ免許皆伝」の百回分。 「幅広い視点から映画を紹介」とあるとおり、映画にまつわる様々な話題が展開されて興味深い。 映画はそもそも字幕なしでみるのが普通であって、字幕でみるのが変則的な見方…

映画でボクが勉強したこと 清水義範

「サンデー毎日」連載のシネマ・エッセイ。勉強などと堅そうなタイトルだが、自分の観てきた素敵な映画を楽しそうに語っている。大半はこちらも観ている映画についてで、そうそう、そうなんだよと共感してうれしくなった。そうなると、観ていない映画を、観…