2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

禅 迷わずまっすぐ 則竹秀南

刊行時、京都妙心寺山内霊雲院住職である著者が、かつて三十三年間つかえた無文老師について語ったもの。 人生の折り返しを過ぎてしまったなどというのは、まだ、同じ年月を生きることを前提にしているが、今の息の次の息ができるかどうかがわからぬのがこの…

北斗の人 司馬遼太郎

北辰一刀流の流祖、千葉周作の半生を描いた小説だ。さわやかな青春小説ともいえる読後感だ。 「竜馬がゆく」の初めの頃に、竜馬が桶町千葉道場で修業し、四国で他流試合をするくだりの描写などに通じるものがある。(ちなみに、桶町は周作の弟千葉貞吉の道場…

愚者の旅―わがドラマ放浪 倉本聰

「前略おふくろ様」「北の国から」の倉本聰が、脚本家としての半生を振り返った。 ニッポン放送時代、NHKとのケンカ、札幌へ、そして富良野塾開設へと人生は展開していく。 その間、様々な人たちとの劇的な出逢い、怒りに身を震わせる仕打ち、感激に涙を…

アイム・ファイン! I’m Fine!  浅田次郎

JALの機内誌に連載のエッセイ集第2弾。このところ、めっきり航空機を利用しなくなったが、毎月この連載を読むのを楽しみにしていた。改めて読んでみても、数多くの旅をした人だけが語れる体験談は、そのユニークな行動とあいまって、惹き込まれていく。中…