2013-01-01から1年間の記事一覧

牛への道 宮沢章夫

脱力エッセイとあり、電車の中で吹き出してしまうので注意とあったが、それほどの過激な笑いではなく、思わずにやりとしてしまうという面白エッセイだ。 冗談なのか、真剣なのかわからない調子の文章がめっぽう面白い。 禅の悟りへの道を牛を題材にあらわし…

ざこBar 桂ざこば

米朝一門を支える桂ざこばの芸能50周年を記念して出版された自伝。 ざこばの落語は、決して流暢でない語り口から、その落語世界に引き込まれていくのだが、前段の語りがまた絶品だ。 そっちの方が面白いと言われて本人は腐ったりしているが、この本も、ま…

考えの整頓 佐藤雅彦

しなやかな知性が感知した不可解について、考えを整頓して文章にした、ということでしょうか。 27編すべてが面白い。ユニークな視点に感心させられるだけでなく、静謐なおだやかな気持ちにさせられる文章だ。また、さすが映像作家だけあって、図や写真の使い…