2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧
執筆時、八十歳になるかならぬかだが、この生き生きとした文章はどうだろうか。食べ物に対する記憶が鮮やかに語られていく。文士たちとの交流、戦時中の海軍での食事、ハワイ、パリ、上海など海外でのエピソードに、豊かな気分にさせられ、にんまりしながら…
健(たける)が師匠の銀太夫から兎一郎とコンビを組むように言われるところから物語は始まる。 健はまだ三十ちょっとの若手に属する文楽の太夫だ。文楽は義太夫節、三味線、人形劇からなる人形浄瑠璃のこと。健は義太夫節を語り、兎一郎は三味線を弾く。時に…
これはすごい対談本だ。 ・山城新伍 ・ガッツ石松 ・張本勲 ・小林亜星 ・さいとう・たかを (文庫化記念のボーナストラックとして) ・本宮ひろ志 ・乙武洋匡 という男気あふれる面々へのインタビュー集である。 この男たちへの並々ならぬ興味によって、対…
ショーケン萩原健一の自叙伝。坪内祐三と福田和也の両氏が「ショーケン」はいいと対談で話していたので、読んでみたのだが、とても面白かった。 テンプターズ解散後、1983年大麻取締法違反による逮捕、2005年恐喝未遂による逮捕と、これまで3度のどん底を味…