2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

羊の目 伊集院静

内股に牡丹の刺青のある夜鷹に産み落とされた子タケミは侠客となり、 親と思い定めた男のために一途に殺人を重ねていく。 驚くほどの澄んだ目をしていながら、武闘においては、ヤクザを震撼させた伝説的な侠客の一生が描かれる。 牡丹の女 観音堂 ライオンの…

少年譜 伊集院静

少年小説なのであるが、少年の頃の記憶を描いた短編小説集ともいえるのではないか。 最初の「少年譜笛の音」最後の「親方と神様」はともに、最後、一気に少年が老年を迎えた場面にとんで物語は終わる。 人生で大切なことを学んだ記憶、悲しさ、せつなさを深…

アー・ユー・ハッピー? 矢沢永吉

五十一歳になった矢沢永吉が「しあわせ」について語る。 熱い肉声がそのまま聞こえてくるようだ。 「成りあがり」は壮大な予告編だったと裏表紙にある。あの糸井重里編集の「成りあがり」は、鮮烈だった。 矢沢のファンだけでなく多くの若者の心をとらえたメ…

雨ン中の、らくだ 立川志らく

立川談志の弟子、立川志らくによる全十八章からなる談志論。 各章には、すべて志らくの好きな談志の落語のタイトルが並ぶ。(第一章松曳き〜第十八章芝浜) これが、志らくの入門から前座、二つ目、真打昇進、現在に至るまでの 青春物語とともに語られる。 …