シリコンバレーから将棋を観る 梅田望夫

あの「ウェブ進化論」の梅田望夫の将棋および将棋界に関する本
将棋は弱いけれども、将棋を観るのは好き、将棋のプロ棋士の言動に興味があり、
そのストイックな生き様に感銘をうける。そんな人は、自分も含めて意外に多いという
くだりは読んで、そうか俺だけじゃなかったのかと、うれしくなった。
趣味の欄に、将棋界ウォッチャーと書いても怪訝には思われないということか。
羽生の率先してきた「知のオープン化」、将棋界にあった強固なパラダイム
打ち破って発想の自由度を拡大しようとした試みなど、興味深い指摘が多い。
羽生名人と対局した第21期竜王戦の第1戦が、渡辺が大きなショックをうけるような
展開だったなんて本書を読んで初めて知った。
将棋は弱いと著者は強調しているが、将棋の対局に対する洞察は非常に深く、それを
われわれファンに分かりやすく伝えてくれている。

シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代

シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代