2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

武蔵と五輪書 津本楊

宮本武蔵の五輪書を、剣道三段、居合道五段の津本楊が現代語訳とともにコメントをしている。 巻末には、全原文(および兵法三十五箇条)も掲載されている。 精神論が多く退屈かなと思っていたが、実戦を経た者のみが語りえる リアリティにみちていることが、…

北方謙三の「水滸伝」ノート 北方謙三

北方謙三の「水滸伝」(全19巻)「楊家将」「血涙 新楊家将」「楊令伝」の読者にとっては 興味深いだろう。 水滸伝は、キューバ革命を念頭に置きながら描いたとか、リアリティを積み重ねていくのが 小説であるなど、面白い話がいろいろと語られる。 「水滸伝…

昭和武闘伝 加来耕三

次の7人の武道家を描いた評伝集。 船越義珍(空手) 前田光世(柔道) 小西康裕(空手) 国井善弥(剣道) 村重有利(合気道) 澤山宗海(拳法) 白田林二郎(合気道)カッコ内の武道の記述は、大雑把すぎるかもしれない。 どの武道家も複数の流派や異種の武…

麻雀の技術書

今回は、麻雀が好きな人のみが対象となる。 阿佐田哲也は、多くのエンタテインメント小説を書いているが 麻雀の指南書も書いている。 「Aクラス麻雀」と「これがオレの麻雀」だ。 (麻雀秘伝帖はイカサマ技の解説書) 「Aクラス麻雀」では、捨て牌の読みの…

麻雀放浪紀 阿佐田哲也

終戦直後、中学を卒業した「坊や哲」は博打の世界に足を踏み入れ、 麻雀に深くのめりこんでいく。 「青春編」最後では、「ドサ健」「女衒の達」「出目徳」と青天井麻雀の 激闘を繰り広げる。 「風雲編」「激闘編」「番外編」と全4巻のピカレスクロマン(悪漢…

ア・ルース・ボーイ 佐伯一麦

仙台の有名進学校に通う高校生が学校を中退し、彼女が産んだ赤ん坊(自分の子ではない)と 一緒に狭いアパートに住み、電気工見習いとして仕事を覚えながら現実を見据え成長していく。薦められたのだが、純文学の青春小説と聞いて、読むのが億劫だった。 し…

宮本武蔵 最強伝説の真実 井沢元彦

謎の多い、資料データが残っていない宮本武蔵について、現状わかっていること、 謎として論議されていること、これまでの小説家が描いた武蔵像、五輪書の内容を井沢元彦が、 わかりやすく明快にまとめた本だ。 武芸者としての武蔵、芸術家としての武蔵、五輪…

新宿遊牧民 椎名誠

椎名誠の自伝的小説シリーズの最新刊。 「本の雑誌血風録」のあと、「新宿熱風どかどか団」を執筆し 本作となる。 何か面白い遊びを思いつくとみんなを集めてやっていたガキ大将 のころと全く同様に、椎名誠は、まわりの仲間を巻き込み、世界を旅してルポを…