2010-01-01から1年間の記事一覧
テンポよく進むストーリーと、主人公たちの交わす会話が気持ちいい。 思わずつっこんでしまう漫才師気質。 売れない芸人の黒沢飛夫は、やけ酒の末にトラブルに巻き込まれ、警察の留置所で 鬼塚龍平と出会い、物語は進んでいく。 品川ヒロシはこれが小説第二…
しかし、すごいタイトルである。日垣隆のエッセイ、コラムは読みだすと次々と読んでしまう。 売文生活日記とあるとおり、日記形式で、論評、論争、論戦が展開されていく。 相手は、信濃毎日新聞、みずほ銀行、旅行代理店、不動産会社等々で、読んでいて、な…
松下幸之助を、リーダーシップ論の泰斗コッターが論じた本だ。 一時期、松下幸之助の「経営心得帖」「決断の経営」などの著作を読むとともに 講演テープを出張中にいつも聞いていた。 利益に対する考え方など大変参考になったが、全般的には当たり前の正論を…
PRマン・漆田亮は、得意先の日野楽器から、ある日本人ギタリストを探してくれと頼まれる。 男の名はサントス、20年前スペインの有名なギター製作者ホセ・ラモスを訪ねたという。 わずかな手掛りをもとに、漆田は、 サントス探索とともに、ダイヤが埋められた…
わが冒険小説オールタイムベストテンに間違いなく入る傑作だ。 舞台は第二次世界大戦中の中国・上海。主人公紅真吾は、破産状態にある。 同じ重さの黄金より高値がつくという、極上の豚毛を買い付けにいくために、 銃弾と激流の中をくぐり抜けて、揚子江を往…
宮脇俊三は、鉄道紀行の最高の文章家ではないかといわれている。 現在多くの作品が絶版となっているのは誠に残念なことだ。 鉄道による出張の際、司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズとともに 宮脇の鉄道エッセイを行き帰りの車中で楽しんで読んでいた時期が…
平成の鬼平ともいわれた中坊公平氏の自叙伝。 虚弱で、人付き合いも下手で、劣等生であった、ぼんぼん育ちの少年が、いかに弁護士中坊公平となったのか率直な口調で語られる。 成人してもお腹がゆるく、よくしくじるなど、親近感のわく話も多い。 強く印象に…
爆笑問題の大田光が1歳から35までの半生を虚虚実実ならぬ虚虚虚実で語る。 小学校で気になる女の子は、ドロシー・ホップちゃん、友達のモンキー・J・アレンが、 なんて答えて、インタビュアー(田中ではない設定)がなんの突っ込みもいれず、当然のごとく話…
ついに、金庸の武侠小説を読んでしまった。 時代は、宋が金に攻め込まれ、南宋を成立させてしばらく立った頃だ。 つまり「水滸伝」「楊令伝」の時代から数十年たち、「蒼き狼」の前半のころに 相当する。 http://d.hatena.ne.jp/nayuta-mahiro/20091018 http…
秋の蔵王で10年ぶりに再会した元夫婦の往復書簡で展開する。 妻は再婚後、知的障害をかかえた子供をもうけて育てている。夫は落ちぶれて女と同居している。 ある事件から離婚した二人が、そこからの歩んできた道のりと、それぞれの思いが美しい言葉で綴られ…
成毛真久しぶりの著書である。今回も期待に違わず、大人気なさの重要性を様々な角度から語った、 刺激にあふれた内容だ。自身の体験も含めての豊富なエピソードも興味深い。 この前の著書は「本は10冊同時に読め!」だったが、本は10冊同時に読め!―本を読ま…
ビートたけしの自伝的小説。浅草の演芸場に出ている漫才コンビ、ヒトシ・サトシの ヒトシはまだ二十代の売れていない漫才師だ。 漫才師、落語家、手品師、浪曲師、モギリのおばさん、進行係りのおばさんなど、浅草演芸場の芸人模様 が描かれ、さらに、乞食、お…