射都英雄伝 【第1巻】 金庸

ついに、金庸武侠小説を読んでしまった。
時代は、宋が金に攻め込まれ、南宋を成立させてしばらく立った頃だ。
つまり「水滸伝」「楊令伝」の時代から数十年たち、「蒼き狼」の前半のころに
相当する。
http://d.hatena.ne.jp/nayuta-mahiro/20091018
http://d.hatena.ne.jp/nayuta-mahiro/20091224

水滸伝の豪傑の末裔を父にもつ主人公郭靖は、運命にもてあそばれ、モンゴル
で育ち、テムジン(後のチンギスハーン)の第四子トゥルイと義兄弟となる。
「全真七子」の第四番丘処機、「江南七怪」と呼ばれる7名の武芸者、「黒風双殺」
とよばれ頭蓋骨に指で穴をあけて殺人を繰り返す邪道武術家夫婦などが登場し
武術を闘わせる。
(黒風双殺のおどろおどろしさは、山田風太郎忍法帖を思い出させる)
舞台は、南宋からモンゴルへ、そして東南に下って金の都燕京へ移っていく。
魯鈍といわれた郭靖の成長していく姿が好ましい。
面白い要素満載のこの小説は、これからどう展開していくのか。
全5巻のこの小説は、三部作の第一作だといい、しかも続編の評判も高いときているのだから
楽しみだ。

射雕英雄伝―金庸武侠小説集 (1) (徳間文庫)

射雕英雄伝―金庸武侠小説集 (1) (徳間文庫)