麻雀放浪紀 阿佐田哲也

終戦直後、中学を卒業した「坊や哲」は博打の世界に足を踏み入れ、
麻雀に深くのめりこんでいく。
「青春編」最後では、「ドサ健」「女衒の達」「出目徳」と青天井麻雀の
激闘を繰り広げる。
「風雲編」「激闘編」「番外編」と全4巻のピカレスクロマン(悪漢小説)
の傑作だ。
登場する連中はみな、強烈な個性をもち、自分のスタイルにこだわり
イカサマありだまし討ちありの弱肉強食の戦いを挑む。
圧倒的な魅力をもつエンタテイメント小説であり、ハードボイルド小説であり
ギャンブル教養小説だ。
ただし、麻雀の勝負が描かれる中で、麻雀牌をあらわす牌活字がでてくるので、
麻雀のルールを知らない人には、その魅力の何割かは減ってしまうかもしれない。

麻雀放浪記(一) 青春編 (角川文庫)

麻雀放浪記(一) 青春編 (角川文庫)

阿佐田哲也は、「朝だ、徹夜」からきているそうだ。
ご存知、色川武大名義で、数々の名作文学作品を生み出し、阿佐田哲也名義で
エンタテインメント小説を書いている。