食味風々録 阿川弘之

執筆時、八十歳になるかならぬかだが、この生き生きとした文章はどうだろうか。食べ物に対する記憶が鮮やかに語られていく。文士たちとの交流、戦時中の海軍での食事、ハワイ、パリ、上海など海外でのエピソードに、豊かな気分にさせられ、にんまりしながら読み進めていく。最後に娘阿川佐和子との対談が収録されている。

食味風々録 (新潮文庫)

食味風々録 (新潮文庫)