禅 迷わずまっすぐ 則竹秀南

刊行時、京都妙心寺山内霊雲院住職である著者が、かつて三十三年間つかえた無文老師について語ったもの。
人生の折り返しを過ぎてしまったなどというのは、まだ、同じ年月を生きることを前提にしているが、今の息の次の息ができるかどうかがわからぬのがこの世である。移り変わり行く無常の世界に永遠の道を歩んでいくその心得が無文老師の思い出とともに語られていく。
涅槃も良し、死もまた良し、病むときは病むがよろしく、死ぬる時は死ぬるがよろしく、苦しむ時は苦しむがよろしく、楽しむ時は楽しむがよろしく、自然あるがままに是非すべて忘じて法界に遊ぶ。
言うは易く、行うは難し、とはこのことか。しかし、今このときを受け止め、真剣に生きることの大切さを、強く認識した書だ。

禅 迷わずまっすぐ

禅 迷わずまっすぐ