羊の目 伊集院静

内股に牡丹の刺青のある夜鷹に産み落とされた子タケミは侠客となり、
親と思い定めた男のために一途に殺人を重ねていく。
驚くほどの澄んだ目をしていながら、武闘においては、ヤクザを震撼させた伝説的な侠客の一生が描かれる。
 牡丹の女
 観音堂
 ライオンの舌
 眠る蝶
 竜の爪
 ホットドッグ
 羊の目
と章が進み、舞台も日本、戦場のフィリピン、ロスアンジェルスニューハンプシャーコステロ刑務所などへ移っていく。
長編の長さを感じさせずあっという間に読み終えてしまった。
主人公は理解を超えた部分も含め強い印象を残し、読後、深い余韻を残す小説だ。

羊の目

羊の目