オンリー・ミー 私だけを 三谷幸喜

三谷幸喜初のエッセイ集。
これが抜群に面白い。どの項をとっても面白くないものはないのだ。
ということは、どこから読んでも笑えるのである。
初めの部分の文章には、三十一歳のこの僕が、などとでてくるが、
仕事に乗りに乗っている若手人気脚本家が、自分のことを中心に
その生い立ち、これまで経験したエピソードなどを語る。
コメディの脚本づくりに呻吟する中で、ユニークな話が次々とでてくるわ、
でてくるわ。

オンリー・ミー―私だけを (幻冬舎文庫)

オンリー・ミー―私だけを (幻冬舎文庫)

アイディアを練っている間、さまざまなことを考え、
いくつものアイディアが不採用となっていると思うのだが、
その中には、脚本の中では使えなかったが、エッセイの題材として
適しているものも多くあるのかもしれない。
かなり昔、ショートショートの神様、星新一の「きまぐれ星のメモ」という
エッセイを読んでその面白さにびっくりしたことがあるが、何か同じような
状況を感じる。
きまぐれ星のメモ (角川文庫 緑 303-2)

きまぐれ星のメモ (角川文庫 緑 303-2)