もっと知りたい武術の極意 長野峻也
現在、5作出版されている「武術」シリーズの4作目。
みな、非常に参考になる内容なのだが、
以前紹介した「誰も知らない武術のヒケツ」とともに、
この武術の極意は大きな感銘を受けた。
「武術は、老若男女の別なく、素質と才能の有無に関係なく、
誰もが達人へと至ることのできる稽古システムを有する極めて
貴重な身体文化なのです。」
という文章はなんと魅力的であろうか。
それが可能となるのは、重力を活用するからである。そのためには
姿勢を正して、重心を骨盤の中心にあつめることが、基本となり、
その集めた重心を自在に操るためには、脱力が必要となる。
なるほどお、と目からウロコがぼろぼろ落ちていくのである。
別の章では
「まず、体軸(中心軸)を確立する。確立された体軸を軸移動させる
ことによって、特に技は非常に効率的に機能化されます。」
とある。
さらに武術で最も重要なのは、「読み」とあり、カウンター攻撃の
理論が集大成されたものとして「交叉法」が述べられている。
後半では、基礎練体法として、
脱力体をつくる「スワイショウ」、
姿勢を維持するのに必要な筋力だけ鍛える「立禅」、
骨盤の動きを全身に繋げて重心移動のできる身体を作る「三元試力」
と、丹田歩法が紹介されている。
そして、独り練習の目的と注意点、二人組んで練習する意味についても
懇切に説明されている。
武術シリーズの最後に、毎作、章を設けて語られる、テレビ、映画のアクション俳優
に対するコラムは、本作では、若山富三郎について熱く語られている。
(これも毎回、面白く読んでいる)
- 作者: 長野峻也
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2008/09/01
- メディア: 単行本
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