千年の夢 齋藤なずな

文人たちの愛と死と副題にあるとおり、誰もが知っている文学者たちの愛憎模様が描かれる。
各作家の作品と評伝に基づくフィクションと断ってあるように、自由奔放に各作家の作品を料理して展開している。
与謝野晶子高村光太郎夏目漱石芥川龍之介林芙美子岡本かの子等々、ここで触れられている作品を無性に読みたくなってくる。お高くとまった文芸評論などよりも、はるかに深くその作品世界を洞察しているのではないだろうか。
個人的には、林芙美子がもっとも魅力的だった。放浪記は未読なのだが、読んでみようか。

千年の夢―文人たちの愛と死〈上巻〉 (小学館文庫)

千年の夢―文人たちの愛と死〈上巻〉 (小学館文庫)

千年の夢―文人たちの愛と死〈下巻〉 (小学館文庫)

千年の夢―文人たちの愛と死〈下巻〉 (小学館文庫)