狂気の沙汰も金次第 筒井康隆

夕刊フジ連載のコラムで、山藤章二の挿絵とあいまって、メチャクチャ面白い。
タイトルは、もちろん「地獄の沙汰も金次第」のもじりだが、一時期SF作家で
はやって、「筋骨隆々仕上げをごろうじろ」(星新一)「短小包茎夜川を渡る」などの
作品がうまれ、筒井も頭をひねって本タイトルの文言をつくったとか。
小説を書くため、庭にあったうんこを皿にとって、ナイフとフォークで切りながら
詳細に観察していたら、妻にみられて気が狂ったのかと思われたとか、
風呂場でキンタマが排水口に挟まって抜けなくなった話とかでてくる。
(この体験は短編「陰嚢録」になった。また、「乱調文学大辞典」の悲喜劇の項目にも採用されている)
この他、そのユニークな発想に、目からウロコが落ちること請け合いで、
読み出すととまらない。

狂気の沙汰も金次第 (新潮文庫)

狂気の沙汰も金次第 (新潮文庫)