代書 寝床 桂枝雀

今は亡き天才落語家、桂枝雀の落語CD。
枝雀演じる名作は、もちろん数々ある。
その中で、この代書は、地下鉄で聴いていて思わず吹き出してしまった。
そんなことは、十年ぶりくらいだった。
この代書を頼んできた松本留五郎のどぼけた間がたまらなく、おかしい。

枝雀落語大全(35)

枝雀落語大全(35)

桂枝雀は、桂米朝の弟子にして、桂ざこばの兄弟子にあたる。
桂べかこ、桂雀雀は、桂枝雀の弟子だ。
枝雀が死んでしまって、米朝がいかばかり落胆したか、方々でいろんな人が
書いている。

枝雀のすごさは、すべてのネタが、枝雀流にアレンジされ、人物のキャラクター
づくり、ギャグの挿入がされていることだ。
しかも、そのときの客とのコラボというのか、興が乗っていたときには、
何かが降りてきたように、話が展開していくのだ。アドリブのギャグが
連発され、登場人物同士でかけあいがはじまったりする。
同じ演題が、CDによって、結構異なり、それぞれが面白い。
「寝床」などは、録音テープとCDで3つを聴いたが、みな違っており、しかも
メチャクチャ面白いのだ。旦那が興奮のあまり、延々しゃべり続け、やっと
収まって、「はあああっ」と大きく息を吐いて、「もう大騒動でございます」
と枝雀が言ったとき、あまりの熱演に聞き入っていた観客から拍手がおこる。

枝雀落語大全(2)

枝雀落語大全(2)

落語らいぶ(16)寝床/くやみ

落語らいぶ(16)寝床/くやみ

その早すぎる死が惜しまれてならない。