孫子 海音寺潮五郎

上巻は孫武、下巻はその子孫の孫臏の物語だ。
「疾きこと風の如し」などの一節からとられた風林火山、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
などその文章は、広く知られる戦略・兵法書の「孫子」は、孫武の作とされている。
タイトルの孫子は(孔子老子と同様)人を指している。
小説では、孫武は平凡なおやじとして描かれているが、呉王や「臥薪嘗胆」で有名な伍子胥に乞われ、
将軍として、連戦連勝していく様は痛快だ。

新装版 孫子(上) (講談社文庫)

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孫臏の方は、魏の将軍となった友人からその才能を恐れられ罠にかけられ、足切りの刑をうけてしまう。
孫は斉の軍師となり、その復讐を果たすという物語だ。
新装版 孫子(下) (講談社文庫)

新装版 孫子(下) (講談社文庫)

長編だが、その長さを感じさせない面白さだ。