おかしな男 渥美清  小林信彦

「若き日の素顔を丹念に浮かび上がらせる、実感的人物論」と新潮文庫のカバーにあるが
まさにそのとおりで、渥美清との交流を交えながら、ずっと観続けてきた
渥美のコメディアンとしての仕事に対する芸能論といったらよいだろうか。
細い目、下駄のような顔で、驚くような美声でしゃべる男は、凄みとおかしみを併せ持っていた。

おかしな男 渥美清 (新潮文庫)

おかしな男 渥美清 (新潮文庫)

小林信彦は、その小説のファンでもあるのだが、コラム、それも芸能コラムがとても
面白い。「笑学百科」「日本の喜劇人」「喜劇人に花束を」ほか、「コラムが笑う」など
のエンタテインメント時評の多くが絶版となっているのは、とても残念だ。
日本の喜劇人 (新潮文庫)

日本の喜劇人 (新潮文庫)

渥美清については、この本を読んで、早速、「男はつらいよ」の第1作や「拝啓天皇陛下様」を
観ている。両方とも傑作だと思う。
拝啓天皇陛下様 [DVD]

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