虹色のトロツキー 安彦良和

あのガンダム安彦良和の作品。まだ、当事者が生きているかもしれない
時代の事件に取り組んだ力作だ。
満州国の建国大学に主人公の青年ウムボルト(日蒙混血)が入学するところから
物語ははじまり、ノモンハン事件で終わる。
ストーリーとして混沌とした印象はあるが、その時代に生きて部分的にしか
事態がわからなかった状況をリアルに再現しているともいえる。
絵は惚れ惚れするぐらいうまい。
この作品に、合気道開祖、植芝盛平がかっこいいおじさんとして登場し、ウムボルトに
稽古をつけたりする。(たしかに植芝は中国大陸に渡っており、あわや銃殺刑に
なりそうになったりしたそうだ。合気道に中国拳法の影響を指摘する人もいる)
満州国とはいったい何だったのだろうか。気になって時折読み返している作品だ。
石原莞爾ノモンハン事件についても、もっと知りたいと思っている。

虹色のトロツキー (1) (中公文庫―コミック版)

虹色のトロツキー (1) (中公文庫―コミック版)