楊家将 北方謙三

宋建国時の英雄楊業とその息子たちの物語だ。
無敵の楊家軍に対して、過酷な漠北で騎馬隊を鍛え上げた
遼の名将「白き狼」耶律休哥が戦いを挑む。
四郎、六郎、七郎という息子たちが、それぞれ強さを求めて
悩みながら自らを鍛え、敵に立ち向かっていく中、
父楊業は、不動の強さを堅持して見守っている。
これは、男たちの成長の物語であり、父と子の
絆の物語でもある。
そして、楊家の運命の戦いが始まるのだ。

この「楊家将」は、北方「水滸伝」「楊令伝」の
読者にとっても興味深い作品だ。
あの青面獣楊志は、この楊業の末裔という設定で
楊家に伝わる吸毛剣を操り、それは、楊令に引き継がれて
いく。また、「楊家将」に登場する呼延賛将軍は、あの
双鞭呼延灼の先祖だろう。
そして、「楊令伝」で登場する遼の武将、蕭珪材も「続楊家将 血涙」の
最後にあらわれる遼王室と楊家の血を引く少年の末裔だ。

楊家将〈上〉 (PHP文庫)

楊家将〈上〉 (PHP文庫)

楊家将〈下〉 (PHP文庫)

楊家将〈下〉 (PHP文庫)