ファイティング寿限無 立川談四楼

うまい。おもしろい。
これが落語家の書いた小説なのか。
ぐいぐいと読ませられるその力量に感嘆。

プロボクサーとなってのサクセスストーリーが
リアリティをもって迫ってくる。
落語の修業も含めて基調はストイックだ。

立川談志モデルの龍太楼師匠や志の輔モデルの先輩真打など、
登場する魅力的な落語家との人情味あふれるやりとりなど
魅力満載の小説だ。


文庫本のあとがきで、「ミリオンダラーベイビー」の前に
この小説があったと作者は胸をはっているが、
まさにそのとおりだ。

ファイティング寿限無 (ちくま文庫)

ファイティング寿限無 (ちくま文庫)