餓狼伝(1) 夢枕獏

格闘のために鍛え抜かれた肉体をもつ男、丹波文七は6年前、生涯でただ一度の敗北を喫していた。
奈良公園での決闘から始まり、最後、横浜山下公園で、その宿敵プロレスラー梶原年雄と闘うまでを描く。
蹴りと関節技が、この作品の重要なファクターだ。東天の獅子で描かれた濃密な闘いの描写は、このころから健在だ。文七を慕う少年涼二、北辰空手の創始者松尾象山、その高弟姫川勉、東洋プロレスの川辺等、ユニークなキャラクターが登場する。
本作は、一巻で完結する予定が三冊くらいに膨らむ予定とあとがきにあるが、それどころではなく展開していくのだ。

餓狼伝 (1) (双葉文庫)

餓狼伝 (1) (双葉文庫)

12月14日第6巻を読了。前5巻では、東洋プロレスを率いるグレート巽の過去の闘いが描かれ、6巻では、丹波文七と北辰空手の堤城平との死闘が展開される。
まだまだ、話は終わらない。