弩 下川博

弩(ど)とはボーガンのような武器のこと。
時は南北朝時代因幡の国の智土師郷(ちはじごう)の物語だ。
子持ちで男やもめの百姓吾輔、鎌倉のそばの称名寺からやってきた光信、
楠木正成の郎党の義平太とその妹小萩らが登場し、前半は村おこしの成功物語で、後半はその村を悪党から守る戦いの物語だ。
ややとっつきにくい出だしだが、時代小説としてはユニークな内容で、どんどん面白くなっていく。
本の雑誌北上次郎が2009年ベスト1にあげている傑作だ。

弩