少年の眼 川本三郎選

ブックガイド、シネマガイドとして、優れた目利きである川本三郎
選定した、少年を主人公とした短編アンソロジー
その紹介は、川本による本書巻末の少年の多様なイメージという選者解説で、
言い尽くされている。
現代に生きる、より複雑で屈折している男の子たち。
もう二度ともどってこないからこそ美しい、懐かしい子供時代。
苦い痛みをともなう加害者としてのこども、大人とはちがう不可解な未知なるもの
としてのごども、逃げることによって身を守ろうとするこども。
様々な少年を描いた16の物語が集められている。
個人的には、「めくらやなぎと眠る女」村上春樹、「驟雨」井上靖
「感謝祭のお客」トルーマン・カポーティが好きだ。