本の雑誌血風録 椎名誠

本の雑誌創刊前後のころを題材とした椎名誠の実録小説。
「哀愁の町に霧が降るのだ」から始まり、最近、出版された「新宿遊牧民」まで
続いている自伝的小説群のひとつに位置づけられる。
椎名誠はひたすら書いた、沢野ひとしもひたすら描いた、目黒考二はひたすら読んだ、
そして木村晋介はひたすら歌った―「本の雑誌」をめぐって熱く燃えていた人」と
BOOKデータベースの商品説明にあるが、まさにそのとおりだ。

新雑誌創刊という新規事業立ち上げに、若さあふれるパワーでまい進していく様が
ここちよい。
一方で、椎名は自身の作品執筆にも追われ、会社員から独立して、作家への道を
歩みはじめる。
本の雑誌社の初採用社員として、群ようこが登場する。
このあたりは「別人「群ようこ」のできるまで 」で群ようこも書いておりそちらの内容も
興味深い。

本の雑誌血風録 (新潮文庫)

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