合気道 修行 塩田剛三

合気道開祖植芝盛平の直弟子で、養神館を設立した塩田剛三の著書。
実戦合気道家として、現代武道界では広く知られた人だったそうで
数々の伝説が語られている。本書でも、自らの体験談が随所で語られている。
しかし、抽象論と武勇伝が多いこの手の本とは違い、
合気道の理合、呼吸力、稽古のやり方について、具体的に書かれていて大変参考になる。
(稽古をしていて時折読みかえすと、なるほどと思う箇所が増えていくのだ)
上級者の技を手本に、みて覚えなさいという指導だと、素質のある人は上達するが、
わからない人はいつまでたっても上達しないということになってしまう。
養神館では、技を体系化し、構え、基本動作から、基本技を順番に稽古していけば
初心者から、ある程度までは上達できるようになっている。
非常に合理的な精神の持ち主だったことが推察される。

合気道修行―対すれば相和す

合気道修行―対すれば相和す

塩田剛三の演武は多くのDVD映像として残っており、
そのすさまじい技の切れをみることができる。
現在、養神館合気道のトップクラスとして指導されている
高弟の先生方が、いとも簡単に投げられており、
決してヤラセなどではないことがわかる。
しかも、なぜ、技がきまって、相手がふっとんだり、
制圧されてうずくまってしますのか、みただけでは
よくわからないのだ。
(黒帯会の講習DVDの巻末で、井上強一先生が体重移動など
いくつかの要素に分けて懇切な説明をされているが
じゃあ、同じことができるかといわれたら、ほとんどの人には無理だろう)

神技・塩田剛三 [DVD]

神技・塩田剛三 [DVD]