項羽と劉邦 司馬遼太郎

司馬遷にはるかに及ばずから「司馬遼太郎」というペンネームが生まれたそうだ。
その司馬が、ついに司馬遷史記の世界を描いたのが本作品で、
その意気込みが伺える。
この作品の中には、すべての人間の類型が描かれていると誰かが書いていた
記憶があるが、まさにそのとおりだと思う。
連戦連敗して最後の戦いに勝利して、漢帝国を樹立する劉邦、いかにも
中国的な英雄と称されたりする。無敵の強さを誇っていながら最後は
敗れた項羽、なぜ、両者は勝者と敗者に分かれたのか。
劉邦には、幼馴染の盧綰(ろわん)、御者の夏侯嬰(かこうえい)豪傑の
樊噲(はんかい)など魅力的な連中があつまり、将軍、韓信(かんしん)
参謀、張良(ちょうりょう)などの天才が味方となる。
司馬遼太郎の著作の7割以上は読んでいると思うが、その中でベスト3に
入る名作だと思う。

項羽と劉邦(上) (新潮文庫)

項羽と劉邦(上) (新潮文庫)

項羽と劉邦(中) (新潮文庫)

項羽と劉邦(中) (新潮文庫)

項羽と劉邦(下) (新潮文庫)

項羽と劉邦(下) (新潮文庫)