抱影 北方謙三
どうしても、社会との折り合いがつかない。自らの中にある思いに突き動かされ、滅びに向かって進んでいく。そんな男の物語を、北方謙三は描き続けている。
最初に読んだのは、「檻」で、最近読んだ「煤煙」もその系統に属する。
今回は、主人公は画家であり、その点、「冬の眠り」と似たものを感じたが、やはり、上記の色彩をより強く感じた。どの男も、ストイックでひたむきで、暴力的かつ反社会的だ。そして、その生き様を最後まで見つめ続けたいという魅力に満ちている。
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